兵庫県社会福祉士会について

会長挨拶

この度、一般社団法人兵庫県社会福祉士会第30回総会において、会長を拝命いたしました。これまで長年、会の発展に尽力いただいた、前会長並びに退任された理事のみなさんの意志を引き継ぎ、新体制のメンバーと共に誠心誠意、会の運営に努めて参ります。

兵庫県社会福祉士会は昨年設立30周年を迎えました。30年の間に日本の福祉は救済保護から、社会保障を必要とする人の、自らの「意思」に基づいたサービス保障に変革し、措置から契約の時代になりました。そして、これからの時代、私たち社会福祉士に求められていることは「新たな時代に対応した福祉の提供」と言われています。私自身は措置の時代の最後に、知的障害者更生施設で生活支援員として福祉の仕事をスタートし、基礎構造改革の中で脱施設化、さらには、地域包括ケアや地域生活移行を仕事として取り組んできました。古い時代で福祉をスタートして、新しい時代でソーシャルワーカーの仕事をしています。

日々の仕事に向き合う中で、ソーシャルワークを考えることがあるのですが、ソーシャルワークの構成にかかせない要素は「ソーシャルワーカー」と「社会資源」であると実感しています。そして、ソーシャルワーカーの仕事価値を考えると、まさに「福祉」をすることです。つまり、私たちの仕事は人々の幸せを追求するということであり、私たち自身が人々の幸せを構築する社会資源でなければならないと考えています。

兵庫県社会福祉士会には、ソーシャルワーカーとして「福祉」をする人々が所属しています。会員の皆さんには、経験や知識、情報があり、活動にはつながりと絆があります。このような素晴らしい会に所属していることに誇りを持ち、所属しているメリットを会員の皆さんが存分に感じ、仲間を増やし、みんなで活動を楽しんで、新しい時代の福祉を構築していきましょう。

昨年度まで、新型コロナ感染症拡大防止対策が続き、私たちが構築してきた、人と人とのつながりは物理的に途絶えてしまったこともあります。しかし、ソーシャルワーカーの根底にある人を思いやる心や、平和を願う気持ち、人とのつながりを紡いでいく力は途切れていません。新たな時代に、新たな社会福祉士の活躍が期待できる社会福祉士会でありたいと願っています。ひとまず2年間の任期となりますが、どうぞよろしくお願いします。

兵庫県社会福祉士会 会長 小椋智子